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2008.08.06 (Wed)

白雨/真崎ひかる

【あらすじ】
水沢那智(みずさわなち)の焼き菓子店に、夜ひとり訪れる男の子。
閉店間際にやってきて必ず「全部」買っていく子の保護者として現れたのは、
水沢のかつての恋人・加賀有隆(かがゆたか)だった。
八年前の面影を残しつつ、穏やかに微笑む加賀の真意が見えず、
心惑う水沢だったが・・・・・。


白雨 (幻冬舎ルチル文庫 ま 2-1)白雨 (幻冬舎ルチル文庫 ま 2-1)
(2008/01/18)
真崎 ひかる

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【More・・・】


再会ものです。

再会ものと言えば、若い頃(主に学生時代)つきあった二人が別れ、
五年後とか十年後に思いもかけず再会し、「焼けぼっくいに〜」なんて
状態に陥るのが常道ですが。

でも、三分の二も過去話って、どーなの?!


ほとんど、学生時代の話ばっかりなんですよね。
働く男達が好きな私としては、せめて思い出話は半分以下がいいなぁ。


ただ。

この学生時代の話が、ちょっとどころかとっても切ない


父親に反発しているお金持ちのお坊ちゃんな(加賀)と、
父親を知らず、母親さえ男の元へ行ったきりの優等生くん(水沢)。
二人は惹かれあうのですが、高校生の彼らは引き離されようとします。

一緒にいたいけれど、自分達はまだ高校生で、結局、何も出来ない。
そんな様子が、胸にぐっときます

加賀がお金持ちのお坊ちゃんらしく、突拍子もないことを言い出しますが、
周囲が見えている水沢は身を引くわけです。

学生の二人は一事が万事、こんな風に育った環境が違うことが伺える
微妙なアンバランスさというか、価値観の相違が見られます。

ちょっとした会話もそうだし、当然、金銭感覚とか、大人への態度とか。
傲慢な加賀と、諦めを知っている水沢と実に対照的。

でも、途中、二人の高校の教師である江本(えもと)が登場しますが、
彼は二人を 「ある部分、とても似ている。」 と評しました。
なかなか奥が深い会話で、とても印象的でした。

私、なんでもない、静かな会話のこの場面が一番好きかもしれません。


あとは、まぁ、お決まりのように(笑)、話は進んでいきます。

たぶん、作者が書きたかったのも学生時代の何も出来なかった二人で、
それを書くのに回想という形をとっただけなんでしょうね。

現在の二人がヨリを戻すのが、少し唐突のように思えますが、
学生時代の話の余韻を引きずっていたからかもしれません。
(他に他力本願というか、ちとご都合主義的展開だったのも否めませんが。)


なんにしても。

切ない話がお好きな方にはオススメですね。


また、スピンオフとして、水沢の店のアルバイトくん達の話が出ているそうです。


22:52  |  真崎ひかる  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

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